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狸と王子

 【25//2007】

昔、とある外国でのお話です。

ある村にとても貧しい娘がいました。
娘の名前はアリムといいます。
アリムの父親は戦争で死んでしまい、
母親は病気で死んでしまったので、
お家はあっても貧乏で、
いつも魚を釣って他の食べ物と交換したり、
羊の毛を剃ったり、牛やヤギのお乳を搾る手伝いをしてお金をもらったりして何とか生活をしている状態でした。

そんな生活の中で、
アリムは物の名前を書いたりできるように文字を覚え、
物の取引をするうちに計算ができるようになっていきました。

そしてアリムが成長する頃には商人達に頼まれ、
商品の計算や管理、物を配達をする仕事をするようになり、
村人達にも大切され、貧しいながらも不自由ない暮らしができるようになりました。

そんなある日の事です。
町外れにある老婆の家に薬草や狸、トカゲの干物などを届ける仕事を頼まれましたが、
その老婆は魔女だから断った方がいいと、
村のみんなに言われましたが、

誰も怖がって行こうとしないし、
何よりも町外れからお年寄りが沢山の物を買い物に来るのは大変だろうと思い、
引き受ける事にしました。

娘はすぐに頼まれた物を背中に背負って町外れの老婆の家に向かいました。

長い道を歩き、橋を渡り、森の中を進んでいくと老婆の家です。

トントントン、
「すみません、頼まれた品物をお届けにまいりました。」
すると扉が開き、
見るからに魔女って感じの老婆が現れ、
「おやおや娘さんとは珍しい、ささ、中へお入り」と言うので、
アリムは家の中へ入りました。

家の中に入ると、
今まで嗅いだ事のないような草とゆうか、何かを煮たような匂いがしました。

その様子を見た老婆は「匂うかい?私はね、森で取れるキノコや草と生き物を煮込んで料理を作るのが趣味なんだよ」と言うので、
アリムはなるほどと納得した後、
更に老婆はこう言いました。

「たまに町に買い物に行くんだが、
この森で手に入らない素材があるだろ?
それを新鮮なうちに欲しくて注文するんだが、
以前、注文した物を届けるのに森で迷ったらしく、いなくなった者がおって、
見た目のせいか、村人はそれ以来、森の魔女と言って誰も来なくなってしまい、村に行っても少ししか買ってこれず困っていたんじゃ」と話ました。

それを聞いたアリムは「それは大変だったんですね」と、
お婆さんに同情しました。

「おお!そうじゃ!」と何かをひらめいたかのようにお婆さんは言いました。
「そうじゃ!せっかくだから持ってきてくれた物を新鮮なうちに料理するから感想を聞かせておくれ」と言うので、
アリムはせっかくなので料理をご馳走になってから村に帰る事にしました。

するとお婆さんは「待っておれよ」と言うと品物を持って後ろの部屋へ行きました。

何分たったでしょう?
娘は荷物を担ぎ、長い道を歩いてきたので疲れて眠ってしまいました。

そしてアリムが、はっ!として目を覚ますと、
暖炉でお婆さんは料理を煮込んでました。
「おや、目が覚めたかい?ちょうど料理ができたところだよ」とお婆さんが言うと、
その見たこともない料理を器に移し、
アリムに渡しました。

アリムは最初、うわ~何だこれ…食べられるのかな?と思いましたが、
お腹もすいていたし、
お婆さんが自分の為に作ってくれた料理なので、思い切って食べました。

まずくもないけど、美味しくもない微妙な味です。

お婆さんは「どうだい?」とニコニコしながら言うので、
アリムは「クセになる味かもしれませんね」と、適当にごまかしました。

料理を食べていると、
なんか手がうまく使えなくなってきて、
体から毛が伸びてきました。
アリムは、「お婆さん!なんか体の様子が!」と言おうとすると、「キュッキュッ」としか声がでません。
徐々に体も縮んでいき、アリムは悲しくなって泣きました。

その様子を見た老婆は、「おおっ!実験成功じゃ!どうじゃお主が持ってきた狸になる気分は?」と笑っています。

アリムは狸になったのと、お婆さんに騙された事で更に泣きました。

すると老婆はアリムの首をつかみ、持ち上げ、「良い実験台になってくれてありがとよ」と言うとアリムを家の外へ投げ、扉を閉めてしまいました。

そこでまた泣いていると、
「うるさいね~!元の姿に戻りたいなら背中にあるファスナーを誰かに開けてもらえたら元に戻れるから、村になりどこなり早く行きな!」とアリムを蹴飛ばしました。

アリムは痛いし悲しいしで、フラフラしながら泣いて村へ帰りました。

Category: 物語

Theme: 自作小説

Genre: 小説・文学

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