ポールタワー

 【 2008.11.22(土) 】

その手紙は突然送られてきた。
手紙の中には大金と飛行機の旅行券。

そして手紙にはこう書かれていた。
「おめでとうございます。
貴方は我が社の全世界からランダムで選らんだ抽選に当選しました。
その賞金と、わが国に無料で来れる旅行券を差し上げます。
一人で心細いとゆう方の為にペアチケットとなっております。
ご家族や恋人などと来国ください。
賞金はご自由にお使い下さってかまいません。

ただし、お送りした旅行券で来国された場合、
今回の抽選に参加されたとして我が城で課題に挑戦していただきます。
そこで見事課題を制覇し、我が城の最上階である
我が部屋にたどり着いたら、その者に全財産を譲ります。

全財産の中には会社も城も国も含みます。
それ故、誰にでも簡単に解ける課題ではありませんが、
我こそは!と思う方はこの機会にぜひ御参加ください。」

どんな課題かわからないが、
普通の家で暮らしている俺が国王になれるチャンス。
行かないわけにいかないっしょ~。
手紙を見ていたらオヤジも後ろから覗き見て、
俺も連れて行けと言ってくるので
俺はオヤジと二人でこの国に向かうことになった。

荷物をまとめ、空港から飛行機で入国しました。

空港を出ると、粘土のような壁の建物が並んだ、
昔のデザインのままの街にでた。

オヤジと別れ、手紙に入っていた金で、しばしショッピングを楽しむ。
買い物をしていると、この街の女の子ではない子が買い物をしていた。

「あの、もしかして手紙でこの街に?」と声をかけてみた。
「あ、はい。あなたもですか?」
「はい。
 どうです?あとで行く所が同じなら一緒に買い物でも?」
「いいですね。私は一人でこの街に来たのでちょっと不安だったんです。」

そう話すと2人で買い物の続きをしながら話をして楽しんだ。

話によると彼女は親が病気で、
高額な治療費が必要で普通に仕事をして働いても
全然足りない状態だった時にあの手紙が来て参加する事に決めたらしい。

買い物をある程度済ませると、ちょうどオヤジにもばったり会い、
さっそくナンパかと冷やかされつつも、
そろそろ目的地である城へ行こうかと建物の切れ目から
山の上の方を見ると、先端が雲に隠れ、
何階建てなのか見えない城を見つける。

買い物も済んだので3人でその城の方へ向かう。
街中であっても山の上の方に城があるので
結構長い時間、階段を上り続けた。

入り口に着いた頃にはオヤジはヘトヘトになっていた。
下から城を見ても、やはり雲で先端が見えない。
外見は城だが、中央の柱が偉く高いタワーとゆうイメージだ。

オヤジの息が整ったところで入り口にいた門番に手紙を見せ門に入る。
中に入ると、案内人がいて、時間になったら呼びますので
そちらの部屋でお待ちくださいと案内をされた。

3人は会話などしながら部屋で待つ。
ベッドもあれば、テーブルやイスもある。
なんの変哲もない部屋だ。

しばらくすると部屋にアナウンスが入り、
中央の広間にお集まりくださいと言うので広場に向かう。

広場に行くと、すでに集まっている人が数十人いた。
いかにも金目的で集まった男が半分以上のようだ。

するとアナウンスが入る。
「え~、みなさん、わざわざ遠くから足をお運び、ありがとうございます。
 今回、このイベントを主催した私が、この会社と、城の所有者であり、
 国の王であります。

 今回、このような道楽を開催した理由を先に述べさせてもらいます。
 私はできることなら自分の子供とかではなく、
 できるだけ優秀な人材に私の座を譲りたく、
 この企画を考えました。

 それで、今回の手紙はご存知の通り、
 毎年抽選され、全世界からランダムで選ばれ、
 現在、あなた方で3組目になります。
 ですが、まだ残念ながら1人もクリアーした者はいません。
 
 それでも我こそはとゆう方は受付に承諾書を書いていただき、
 この企画に正式参加となります。
 参加したくない方はすみやかにお帰りください。

 それではこの企画の説明するのできちんとお聞きください。
 まず、企画に参加されますと二度とこの城から出ることは出来なくなります。
 (ここで初めて参加者がざわつきだす)
 そして、ルールは簡単。
 そこの中央にありますポールにかかった棒を登り続けて見事
 頂上へ着きましたら私がおりますので、その時点で
 その人が優勝者であり、この国の全財産を獲る事になります。

 そして、その間の生活はといいますと、
 各階に部屋があり、その部屋にはセンサーがあり、
 部屋に出入りしますと感知し、
 どなたがどこの部屋にいるかわかるようになっております。
 部屋にいる間は朝昼晩と3食バランスよく食事が無料ででますし、
 トイレもシャワーも水道もございます。
 温度も常に適温となっております。
 
 そしてもし、病気になった時は、備え付けの電話でご連絡くだされば、
 この国にいますドクターをその部屋に行かせますのでご心配なく
 企画に集中いただけるかと思います。
 (おおー、一生ここで暮らしてもいいななど、参加者から声が聞こえる)
 
 それでは参加なさいます人は承諾書に名前をお書きになり、スタートです!」

みんな一斉に承諾書に群がる。
俺達3人は呆然とその様子をみていた。

参加者が次々とポールを登ってゆく。
しかし、横の棒が体重に耐えられなくなり、
上部で登っていた人が上から落ちてくると
下にいた人の上に落ちてきた。

そのせいで何人もの人が下敷きになり、
骨折や死亡しているなど、スタートからえらい騒ぎになった。
やはり中には門から出ようとする人が出たが、
門は固く閉ざされていてどうやっても出れないようだ。

危険だと思った私は2人を連れて部屋に入った。
「中央は危険だからとりあえず今日は寝る事にしよう。」
「そうね。じゃあ私は隣の部屋で寝る事にするね。」
そして、オヤジと俺は部屋で寝る事にした。
シャワーを浴び、飯も勝手に作られるなんていいなと
思いながら風呂場から出た。

するとオヤジがベランダに上がっていた。
「何やってんの!」

「中央のポールなんか登るの無理だろう!
 だから外から登れるんじゃないか!?」

「やめとけって!登れたとしても違反だって!」

「いいからおまえは見とけって!」

「やめとけって!」

俺の制止も踏み切り、オヤジは外壁の彫刻を登っていった。

下は穴のようになっていて、底が見えない。
下からは突き上げるような風が吹いてくる。

下を見ていたら上から「あっ!」って声が聞こえた。
上を見ると、手を滑らせたオヤジが見えた。
アーーーーーーー
そのままオヤジは下へと落ちていった。

うわ・・・なんてことだ・・・
俺はその場で崩れ落ちた。
けっしていい親ではなかったが、悪い親でもなかった。
俺はベッドに入り、オヤジとの思い出をいろいろと思い出していた。

そうしているうちにいつの間にか寝ていて、
部屋の扉を叩く音と、
「おはよう~」と彼女の声で目が覚めた。

ガチャ。
扉を開ける。
「あれ?お父さんは?」
「オヤジは昨日、部屋の外から登ろうとして落ちて死んだ」
「え?
 とりあえず部屋に入るよ?」
彼女とオヤジの話を話してこの日は過ごした。

次の日、オヤジの荷物からも必要になりそうなものをまとめ、
彼女の部屋に呼びに行った。
ドンドン。「おはよう~」
すぐに扉が開き、「おはよう。準備できてるよ」
ってことで中央のポールを登ってみる事にする。
000.jpg
金属の棒が縦に4本。
油が塗ってあって触ると滑るようになるので触らない方がいい。
その間に強化プラスチックのような棒が4本横に掛かっている。
横棒に乗ると、腕の位置と手を伸ばした位置の中間ぐらいに次の棒がくる。
落ちないように2人で横並びで上がっていく。
10本ぐらい登ると次の階の高さになる。
疲れたら10階おきに休めるようになっている。

途中で落下していく人がいて、
その修復の為に何度か足止めをくらいながらも
数日かけて登っていくと横棒が3本になり、
それからまた登っていくと横棒が向かい合わせに2本に減った。

2本になると横に手をつける棒がなくなり、
休憩も難しくなし、体勢が崩れた時に手をつける場所が減る。
たぶん4本、3本、2本と減ってきたから、
次は1本になるだろう。

この階まで見てる限りではまだまだ人がいるし、
これでクリアーした人がいないって事は更に厳しくなるのだろう。
俺は彼女と部屋で話す事にした。

「これから上は更に危険が増して死んでしまうかもしれない。
 俺は死んでもいいが、君を失うのは耐えられない。」

「私だってここまで一緒に頑張ってきたのに今さら一人で登るなんて嫌よ!」

「そう。だから俺はここで登るのを諦めてはどうかと思ってる。」

「え?」

「どうせここから出ることは出来ないだろうけど、
 ここの暮らしに不自由はしていない。
 だから良ければ、ここで君と一緒に暮らしたいと思ってるんだ。」

「うん。私もその方がいいと思う」

そうして俺と彼女はこのタワーで暮らすことにした。

Category: 物語

Theme: 短編小説

Genre: 小説・文学

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