太ったスズメ

 【 2007.11.22(木) 】

ある街の駅前にスズメの群れがありました。
人が食べ物を落とすので、それを狙って、いつしかそこに集まってきたスズメ達です。
ある時、餌を与える人間が現れ、
スズメ達は人間が恐ろしい生き物だと知っているので近づこうとしませんでした。
しかし、1匹のスズメが人間に近づいて行きました。
それを見たスズメ達は「危ないよ!捕まえられて食べられちゃうよ!」と言いましたが、
そのスズメは気にせず人間から餌を手渡しで食べ、
「ほらね、別に全然怖かないよ」と言いました。

そして、次の日もその人間は食べ物を与えにスズメ達の所に来ました。
スズメはすぐに人間の所に降りてゆき、餌を食べました。
他のスズメはそれを見て、
「少しこっちに持ってきてくれよと言いました。」
すると、「みんなも食べに来ればいいじゃないか」と言います。
そう言われたスズメ達はそのスズメが食べ終わるまで見ているしかありませんでした。
そうして毎日のように人間は食べ物を与えに来ては、
スズメは毎日食べ物をたらふく食べ、
人なつっこいスズメがいると有名になってゆきました。

すると、日に日に食べ物をくれる人が増えてゆき、
スズメは見る見るうちに太っていきました。

そうしてるうちに季節は冬へ近づいてゆき、
他のスズメ達より、丸々と太ったスズメはとても暖かそうです。
太ったスズメは、これで今年の冬は暖かくすごせると、
思っていた時です、
ふと振り向くと、暗い路地に光るものがこっちを見ている事に気付きました。
「猫だっ!!」
スズメは急いで飛び立とうとしましたが、
バタバタと羽根をばたつかせるばかりで
体がうまく浮き上がりません。
スズメがバタバタとしているうちに猫はサッとスズメに飛びかかり、
一口で丸々と太ったスズメを食べてしまいました。

それを見ていた人達は可哀相だと思い、
猫は美味しく太ってくれてありがとうと思い、
食べられたスズメは、こんな事になるならみんなに食べ物を分ければ良かったと思い、
その様子を見ていたスズメ達は、人間はやっぱり怖いと思ったのでした。

Category: 物語

Theme: 素人の自作

Genre: 小説・文学

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