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バガボンド 名言集 1~37巻

 【 2014.08.30(土) 】

腰ぬけども 俺を殺す気で来やがれ もっとも 俺を殺す気なら 殺すぞ
バガボンド1巻

お前に触れたら切られそうだ そうやって まるで刃物のように 神経をとがらせ 人を寄せつけないのは 人が怖いからだ お前は この村で 一番弱い
バガボンド2巻

この世に生まれて 十数年生きた そして死ぬ それだけのことだお前も俺も
バガボンド2巻

この世に生まれて… 17年生きた 何のために?
バガボンド2巻

何故 武士らしく死なせん 死んでいいんだ俺は
バガボンド2巻

何がある 闇のほかに 何もない
バガボンド2巻

強くならねば 心が 揺れないように ひとりで生きていけるように 強くなる 誰よりも この世に ただ一人 天下無双の男になる なりたかっただけだ
バガボンド2巻

潔く死にたいか? 武士らしく? 駄目だ 勝手をいうな お前に殺されていった者たちにも それぞれの人生があった 祝福されてか されずにか この世に生まれて育ち 家族が いた者 いない者 幼い子供がいた者 許嫁がいた者 犬飼ってた者 何かを夢見た者 ただ何となく生きてた者 武蔵 お前が終わらせたのだ 彼らの 人生を お前だけ 死にたい時に死ぬだと? 武士らしく 潔く? 何様のつもりだ お前は 彼らの命を奪ってまで生き延びておいて ここらで格好よく死にたい? ずいぶん自分勝手じゃないか 恵みの雨か お天道様も許さんといっとる まだ死なはせんぞといっておられる
バガボンド2巻

雨にうたれ 太陽にさらされ 小便をたらし それでも生きてる まだ何かあるとでも? 醜く黒く濁っていくだけだ
天国と地獄 そんなものがあるなら 人を幾度も殺めてきた俺はさしずめ死神 行きつく先は もとより地獄 お前も同じ暗黒に戻るなら せめて紅く美しく死ね
バガボンド2巻

斬って斬って斬りまくって いつか力尽きて斬られるまでの人生 それが本当の望みだと? そうだ じゃあまさに望みどおりの人生を生きたじゃねえか 武蔵 なぜもっと笑わん 朗らかに笑え武蔵 もう死ぬんだ 高らかに宣言してみろ 俺は誰かれかまわず斬りまくった!! そして今 訳のわからん坊主に斬られて死ぬ!! 俺は思いどおりの人生を生きたぞー!! これこそ俺の人生!! 万歳 俺の人生!! 望みどおりー!! ワハハハハ!! 言え!! 殺せっ!! 殺せよっ!! 言わねーか!! 殺した!! 殺した!! 殺した!! それで満足ならそう言わんか!!コラ!!
バガボンド2巻

何故 何故俺を生んだのだ 捨てるのなら 殺すのなら 疎まれ 恐れられ 忌み嫌われ 殺して 殺して 殺されるだけの鬼の子なら 何故俺は生まれたんだ
バガボンド2巻

闇を知らぬ者に 光もまた無い と 思うぞ 闇を抱えて生きろ!! やがて光も見えるぞ
バガボンド2巻

世の中に…強い奴は いるよ ふっふっ 悔しいか? … いや 嬉しい
バガボンド4巻

見まいとすれば 心は ますますとらわれる 心が何かにとらわれれば 剣は 出ない その時 お前は死ぬだろう
バガボンド4巻

男と女… 目をそらしつづけて生きれるもんか …それでも僧か 自然の摂理さ 目をそらすと よけい とらわれるぞ
バガボンド4巻

俺には 好きな女がいる 俺もその女も帰るところはない でも 俺は… その女がいるから 生きてたいと思う 強くなろうな
バガボンド4巻

哀れだな… 己の人生とは何の関係もないにもかかわらず 強き者の失態でそんなにも喜べるとは それでチンケな自分も少し浮かばれた気になるのか? 貴様の人生は誰のものだ?
バガボンド4巻

一枚の葉にとらわれては 木は見えん 一本の樹にとらわれては 森は見えん どこにも心を留めず 見るともなく 全体を見る それがどうやら…「見る」ということだ
バガボンド4巻

それこそがお前の殺気 わし始め他人はそれを映す鏡にすぎぬ …わかるか? 今まで何人討ち殺してきたか… さぞかし多くの敵に囲まれて生きてきたことじゃろうな… だがそれは お前自身が仕立てあげた敵にすぎぬ お前自身の殺気が 出会う者すべてを敵にする あと何人斬り殺す? そういうのは強いとはいわん 不細工じゃ
バガボンド4巻

本当に強い者になった時 本当の強さがわかる…にゃむっ 当たり前だそんなんー!! 当たり前のことえらそーにゆーなそんなんー!! うるしゃい!! 真理とはいつも一見当たり前のよーなものなんじゃ!! それで…お前はいつかは本当の強さがわかるとしてじゃ その頃まで生きてられるかの?
バガボンド4巻

もう死んでるな… あっけない… でも5人も道づれに斬った きっと腕はかなりのモンだったんだろうな この人… 武者修行か 故郷を捨て 親を捨て 野望だけを胸に 苦しい修行に耐えるのか ひとかどの人物になれる者 なんてせいぜい 一万人に一人くらいしかいないのに その末路が あれだ…
バガボンド6巻

あらゆる状況を 時に己の命を業火にさらすような状況を乗り越えてこそ 「心」は充実を見る 胤舜も それがわかっているが 天才ゆえに 相手の命のやりとりにしかならん
バガボンド6巻

天地自然に四季のあるように 人間の修行などもまた繰り返す四季の如し
バガボンド7巻

敵は誰なんだ? 踏みこめば不思議なあたたかさにとりこまれる 吸い込まれるように 倒そうと 力を込めるほどに この体は硬くなり 自由を失っていく 敵はいない 俺が対峙しているのは いつの間にか 俺自身? 技の研鑽は素晴らしい だが、心の中は"我" それのみであると 師は言われた ならば剣とは? 「剣とは」…? わ…分かりません 教えてください…!! あの頃のわしは修羅の世界に生きとった "我" あの日の柳生宗厳の剣にはそれしかなかった 「相手に勝ってやろう」「己の力を」「強さを」「存在を誇示したい」「俺を見ろ」と 師は言われた そんなことのために剣は 武はあるのかね? 我々が命と見立てた剣は そんな小さなものかね? 我が剣は 天地とひとつ 故に剣は無くともよいのです 無刀
バガボンド7巻

罪を 弱さを 覆い隠すために 完全無欠の強さを求めたのか 俺はここから一歩も動いちゃいなかった 俺自身をも覆い隠し 誰に何を与えもせず 孤独 孤独のまま もう誰にも手の届かない場所に
バガボンド7巻

無刀 この世のあらゆる事象の中で 言葉で言い尽くせるものが一体どれほどあろうか 理屈ではない 感じるものだったんじゃ
バガボンド7巻

迷われたら わしなどではなく まず師のもとへ戻られてはいかがか 剣に一心になればなるほど いつしか錯覚していくもの… だが あなたでさえ ひとりで生きているのではないよ
バガボンド7巻

わしゃ もうじき死ぬ 阿厳に問う わしは… この宝蔵院 覚禅房胤栄は… 一体 何のために この世に生まれ落ちたか? それは…!! 宝蔵院流槍術を興されました! それを後々の世まで 我々が伝えて… 技はの 技においては わしが編み出し 工夫して 皆に伝えたものも幾らかあろう 幾らかなどと 全てです! じゃがの じじいになり… 体もよう 動かんようになってきて ふと気づいた わしは肝腎なものを 二代目に伝えとらん 師から受け継いだはずの肝腎なものを ここにまだ ためとる それを胤舜に伝えるまで わしゃ死ねん 死ねん!
バガボンド7巻

無謀と笑うか? 人はたぶんそういうよ きっと!! なんの 天は笑いはしない
バガボンド9巻

天下無双とは ただの言葉じゃ 「天下無双とは」などと考えれば考えるほど 見よう見ようと目を凝らすほど 答えは見えなくなる 見つめても見えないなら 目を閉じよ どうじゃ お前は無限じゃろう?
バガボンド11巻

剣すら握れなくなった… これで… これでもう… 戦わなくて済む 殺し合いの螺旋から 俺は降りる たけぞう… 血止めを… 血止めをしてくれ 俺を… 俺たちを 助けてくれ 救ってくれ 自分を斬った敵に命乞いできるか? 生き延びるために 生きて誰かを守るために
バガボンド13巻

何故生まれてきた 俺も お前らも 等しく価値がない
バガボンド13巻

何だ 外の空気も中とそう変わらねえ 憎しみに満ちているな
バガボンド13巻

妻もめとらず 知己もなく 剣 剣のみを恃んで生きてきた 天下に敵なしと思えた時期もあった 確かにあった だが 老いて この手に 残りしものなし はっはっはっはっはっはっはっ 見よ この大海を … アブクの如き わしの人生 人知れず消えてゆくのみ
バガボンド14巻

相変わらず 自分以外の人間に 興味のかけらも無いようだ
バガボンド14巻

虎は虎として生き 虎として死ねばいい
バガボンド16巻

腕っぷしに自信のあることをひけらかすように歩く あの連中を見て 腹の内はザワついとるんだ 何だろうなあ それは 「この野郎!!」という気持ち いや それよりも もっと深いところで この男と立ち合いたい!! この俺の剣を 鍛えた腕を!! この男達に思う存分ぶつけたら 最後に立っているのは どっちなのか 俺に決まってんだろう!! という気持ちが!! 薄皮一枚の下でザワついてるんだ!! はっはっはっ 仕方ねえ!! それが虎だ!! なあ 小次郎!!
バガボンド16巻

恐怖に鈍い者は真っ先に死ぬ
バガボンド17巻

夢を見た… 家柄も何も知らぬ者同士が… 語り合った…? あれは… うん 確かに語り合った ただ剣が好きで 強くなりたいと… 俺たちは二人とも もっともっと強くなりたくて … あいつは よく喋ったなあ… あいつはわくわくして それを見て 俺もわくわくして また会う約束をしたんだ もっと強くなったときにまた
バガボンド17巻

俺を… 俺を強かったと言ってくれるのか いい人生だった
バガボンド18巻

小次郎がいかほどの器かわからぬと申せられましたな わしにも分かりません わしは自分のことは分かるが人のことは分かりません よって人を育てられるような人間ではない よろしく頼まれても出来ることはひとつしかありません わしがしてきたようにやらせるだけ わしにいえることは ただひとつ わしになれ
バガボンド18巻

小次郎に欠けていたのは臆病さ 死の際を知り 臆病になり なおかつ 臆病を超えて前へ出ていく勇気 それが強さ せ…先生にも臆病さがあるんですか? それは知らん 臆病と強さは相反しない
バガボンド19巻

若いんだのう わしの息子ほどな などと… 本当は妻をめとらなかった わしに息子はいない でも あーあ なぜ戻ってきた 阿呆どもめ… でも でも息子のような者たちは たくさんいたんだ 見たまえ わしの息子たちだ
バガボンド20巻

槍に追われ 刀に追われ 弓に追われ さらには 剣など持ったことのない者たちの群れもいる どう動いてくるか 予想がつかぬだけに かえっておそろしいものよ そういう連中に命を狙われる 多対一の戦い この数日が… 下手な修行の何年分にも相当しよう 余程の神経と肉体と 剣の腕がなければ まあ普通は早々に死ぬか気が狂うだろう 十人斬ったか 五十人か 百人も斬った頃には 生き残る為に どうすればよいか 本能が選択していく 最強最速の剣を 肉体が獲得していく わしはそうして生きてきた いや 先生と一緒にしては… 万が一 今もなお生きてるとしたら あやつの剣は 見違える程になっておるぞ もし再び相見えたなら師弟でも兄弟弟子でもなく 奴はわしの敵となって現れるかの? んむふふふふふふふ 対等の相手がおらぬことは つまらぬぞ 権 え…? わしの命を脅かす 最強の敵は 最愛の友に等しい…
バガボンド20巻

技の改善 その答えは いつだって 体が知っている いつか定伊さんに そういわれた頃から 俺は体の声を聞いてきた 静かな心で 注意深く 体の内側 深くへと 夢中で もっと 深く もっと 細かく 体の一部分 一部分の声に 耳を澄ます 至福の時間 もっと はやく動くには… もっと剣をはやく振るには…
バガボンド20巻

ひとりで千の軍勢を斬り伏せる そんな漢になりたかった 俺は 敵を10人斬り 20人斬り 40人を超えた頃 数えるのをやめた 斬れば斬るほど 見えなくなったから これなのか 欲していたのは 本当にこれなのか
バガボンド20巻

うわあ すごい… 形のない… それでいて大きい… 怖い 何のっ 踏みとどまれ ここが際の際 前へ なおも前へ 突き抜ければ そらっ 小次郎 俺たちは 抱き締めるかわりに 斬るんだな
バガボンド20巻

誰が相手でも どんな場所でも 勝つべくして 勝つ そうなるために 人を斬りまくる日々がある その境地まで達したら… 戦う前から勝っているなら… あれ? そのときは… 戦いそのものは必要なのか?
バガボンド21巻

親の顔も知らないあたしを一度は家族に加えてくれた だけど… 一度すがろうとした関係につきはなされるくらいなら… 知らない方がよかった 誰ともつながりのない みなし子のままで 武蔵がいる 柳生の大殿からは「いつでもここはお前の家だ」と伝えてくれと 城太郎もいる わしもいる たとえ親の顔を知らずとも… つながりを作っていくのが人生だろう
バガボンド21巻

鷲のように飛べたら 蟻が一歩一歩 歩いていることなど 見えはしないだろう でも歩いているんだ 蟻は歩いているんだっ 一歩一歩 喜びをかみしめながらっ
バガボンド21巻

うわ 顔が 笑っちまう 生まれてきて よかった 俺の命の すべて ぶつけさせてくれるんだ この男は 闘いの神サンよ 俺を生んでくれてありがとう
バガボンド22巻

ふぅ… 斬り合いをして勝った負けた… どっちが強いとやっても世の中の為に何ら益はなし いや
むしろ世間にとっては迷惑な存在でしょうな こんなものを振り回す武芸者とは ふふ… その刀を研ぐ 私もまた然りか いや それ以上のハタ迷惑 私の研いだ刀によって死んだ御霊は 百や二百じゃきかんでしょうから… 一線を退いた身でありながら またこうして研いでいる 人を斬るための刃物にね より確実に斬れるように磨きをかけているわけですな 世にも稀な碌でなしでしょうな
バガボンド23巻

本阿弥家は代々研ぎを生業とした家柄 研ぎ師として生まれ 刀に囲まれて育ちました 何千という刀を見 それを使う人に触れてきました その中で業は進んだ 十年 二十年 三十年 五十年 業は進む もっともっと… もっともっと この刀から呼び覚ます 鉄の中に眠る 純白を紺碧を 真夏の蒼穹よりも黒々とした青を 刀を万象と見立て 天地と見立てた それ自体は悪くない 美しいものは みんなそう ただね… どこまで行っても 刀は刀 人を斬る為だけに在る刃物 刃物として与えられた命を 全うしてこそ美しいのですな そこを忘れるとおかしなことになる 刀に囲まれていたからこそ刀が見えなくなったのか 美という言葉にとらわれたのか 研いでも研いでも満足できなくなってしまった おかしなものです ふふ 私はね 武蔵殿 刀を究極に美しくあらしめるためには 刀であってはならないような気がした
バガボンド23巻

己の人生の真ん中に置いていると… 剣こそすべてと口にされる方はたくさんおられますが 本当の意味で剣こそ己と生きている人は稀 そういう人は余計な色がつくのを拒む ただ己の色を深く濃くしていく その色は美しい その人の色 そして私はやはりそんな美の為にのみ研ぎたいのです 美しいならば 人を斬ってもよいと思っているのも事実
バガボンド23巻

強い人は皆優しい
バガボンド25巻

やわらかくなるほど 深まるもの なーんだ あ? 自信? ピンポン ん? やわらかくなるのは自信 固くなるのは気負い 自分を信じると書いて自信だが ここも このへんも もっともっと 自分をとりまく空気までを信じられるような このやわらかい空気に包まれている限り 斬られる気はせぬものよ そのうち その空気は相手をも包むほどのびて そしたらどうなると思う 武蔵よ…?
バガボンド27巻

一人の人間の力を見くびったつもりはなかった …覚悟の違いか 裸の命をさらして生きてきた者と 守られてきた者 高く切り立った山を登る決意をした者と なだらかな 街を見下ろせる 丘で暮らしたい者の違いか 乱世の鎮まりは 剣の価値を落とし これからそれは もっと失われていくだろう そんな時代に合わぬ あのような男が なぜ今 我々の前に現れたのか その意味を考えた まさに剣の価値によって地位を得た 名門の誉高き吉岡が その魂を失うのもまた時代の必然だとしたら… そうなる前に 取り潰してしまえと 拳法先生が遣わしたのが あの男なのかも知れない 一人の人間の力を 見くびったつもりはなかったがよもや これ程とは思いが至らなかった ということは この俺もまた守られてきた者なのだろう 万死に値するよ
バガボンド27巻

耳の使えん あんたには 他の人に見えんことが見えとるとかも そんな気が… 夜は真っ暗やけど それはほら お星を見るためやけん
バガボンド28巻

俺は全部 自分で壊してる 大切なものを全部…
バガボンド28巻

勝ったのは 勝ったのは俺だろ? 俺だろう? 腹に呑みこんだ鉛 鉛のような重さを抱えて生きてる 今も 闘いは続いているということ それだよ あいつらは赦され 俺にとってだけ 続いている 勝ったのはどっちだ? 勝った者はいない そうじゃないかね? わからねえ お前の芯はわかっている その重さが何よりの証 勝った者はいない
バガボンド29巻

わしも分からんことだらけだよ 本当は 剣で斬り合う人なんか見てると もう余計に む… 人間の何たるか 人はなぜ生まれ 如何に生きるべきか 救いはあるのか 分からなくて 混沌の闇の中で 苦しみ のたうち 間違いを犯し あんたがかい? そうさ わしの中にも我執 それはあって それが頭をもたげる時 わしの歩んできた道は無意味に思え 阿呆らしく見えて ばかやろう 何になる ぺっ
バガボンド29巻

お前の生きる道は これまでも これから先も 天によって 完璧に決まっていて それが故に 完全に自由だ
バガボンド29巻

見たくない… 「人」の姿ってのは俺のことだな? みーんなだ もちろんそこにはわしも含む 自分たちの姿に絶望し 「人」の答えなど 見つけて何になる 人を導くなど 俺に無理と唾を吐く 吐いた唾は自分に返り 拭い去るために また旅をつづけ 「人」の答えを探す そして思い知らされる 天とのつながり無しに生きるは苦ばかりなり もしも生まれた甲斐があるのだとしたら もうどうなとしてくれ ただそれを受け容れる 扉が開いた 長いこと閉ざされていた いくつもの扉が一斉に 自由とはこれだった 今まで知っていた 自由は別のものだった 人は無限だ
バガボンド29巻

この世に一人も お前の苦しみを理解できる者はおらん ただ武蔵よ 分かるかい? それでも天は お前とつながっている
バガボンド29巻

剣に生きる人間のほとんどは いや たった一人を除いてすべての強いと言われる人間は ただ「強い」という あやふやな評価に満足して生きている もしも天下一であることを証明したくば 己が一番であることの証を立てたければ すべての人間を斬らねばならない 最後に この地上に 己のみが残るまでだ そうまでして 天下一の称号を手に入れたとて その時には それを誇る相手ももうおらん
バガボンド30巻

天下無双とは何だ? …言葉です ただの言葉 …ほう? 今や 天下無双は自分ですと言っても間違いではないとも思えるが それは誤りです 誤りかね? 陽炎のように… 近づいたら消えてなくなりました 言いかえれば つい最近まで そのことすらわからないほど遠くに はるか遠いところにいたということです 陽炎 つまり天下無双は ない…と? 終わった いや もしかしたら すでにあのときから 陽炎が揺らめいていることに気がついていたのか… 負けたはずの奴は堂々と命乞いをし 勝ったはずの俺はこそこそと逃げるように去った 勝ったはず なのに天下無双が遠ざかるような どうしていいかわからず そのまま目をそらし それ以後の闘いのすべてに勝利した 勝利したはずですが 吉岡清十郎を倒したんだ もう少し嬉しいかと思っていたけどな 何だよ 早く倒れろよ 伝七郎 吉岡十剣 多賀谷彦造 道半ばなれども悔いはなし 武蔵殿 あんたと切磋琢磨したかった 勝ったのは俺だろ…?
バガボンド30巻

「剣は 人を斬る為の刀はなぜあるのか」 そんな問いをたてずにはおれなくなる… 人には二種類あるそうです 剣を手にして強くなる人間と 弱くなる人間 …どうでしょう …誰もがその両方では? 刀は「ある」ものではなく 人がつくったものです 天がつくったのではなく ならば 人より強くなろうとして 人を斬る為に剣をつくった 結果 人は自ら 強さを遠ざけたのでしょうか? 強さから遠ざかった… そうだとしたら人は弱さを知る為に剣をつくったのかも知れませんね その 人をつくったのは天でしょうから …間違いはないと … 弱さを経ていない強さはないでしょう?
バガボンド30巻

人を斬る為にだけに人がつくった剣… しかしそこにはまぎれもない美がある この矛盾 刀は人を斬ることができるから美しい 斬れない刀に美はない 斬る為に生まれた道具として刀は 斬れれば斬れるほど美しい ならばその美を究めるに至ることが叶えば 寒けのするほどの美 持つ者をも その美に染め上げるような そんな美があれば その刀は もはや斬るまでもないもの なぜなら 強さと美は同じもの
バガボンド30巻

心が凝り固まっていては見えないものも 力を抜いて素直に見ると いろんな顔が現れてくるでしょ 心を開いて受け止めるなら この世のすべては美しくてもともと
バガボンド30巻

「強さ」において わしの知らぬ境地にいる おぬしに対する 引け目 それを見ずに済むのは 年を重ねたからだ 引け目 それ自体は心に生じた小さな波にすぎぬ 不安の方へ 振れれば心は閉じる 見まいとして固く閉じた心の中では 不安はやすやすと恐怖にかわり敵意へと育つ その逆も また厄介だ 崇拝する 同化したがる 寄りかかって 執着のできあがり 目も心も 開いているようで 閉じているのと同じ 強ければ何をしても良いのか? 違うよなぁ 別れ道は いつも心のうちにあるわな 真ん中がいちばんいい
バガボンド30巻

例えば すべての人がおぬしのように強くあれたら こうして誰かと対峙したとき それぞれが心を揺らすことなく真ん中であれたら 闘いは起こらない 闘う必要がない そう思わんか だからおぬしが人に伝えるんだ おぬしの得た「強さ」の答えを それとも そこへ至るために 闘いが必要なのか? その強さはやはり斬り合わねば得られぬのか? この先も わしらは わしらの子らは 孫たちは 闘い続けるのかのう
バガボンド30巻

この世に強い人なんておらん 強くあろうとする人 おるのは それだけじゃ
バガボンド31巻

おふくろ 権叔父は浪人者に斬られて死んだ 俺のせいで 佐々木小次郎という名は嘘だ 印可状も嘘 それなりに出世したなんてのも おつうは悪くない 俺が先に裏切った お甲という女とくっついて もっとある あれも嘘 これも嘘 嘘嘘嘘 嘘が嘘を呼ぶ 嘘地獄 おふくろのように強くない 武蔵のように強くない ごめん おふくろ 俺は弱い
おふくろ あと一歩踏み出して もう終わりにしよう… そうか… わかった …!! 息子の背中で死ねるとは幸せじゃ …おふくろ…!! 三つ数えたら行く!! 一… 二ィ 三… 四… 弱いっ くそっ 弱い 嫌いだよ 俺のこのクソ弱さが みっともなくて 俺の嘘をひとつひとつはがしていったら 真ん中には何もねえ!! その空っぽを誰にも見せたくなかった 武蔵にも おつうにも おふくろにも 誰にも 弱い 弱い 弱い弱い弱いーーー!! よう言うた 又八 弱い者は己を弱いとは言わん おぬしはもう弱い者じゃない 強くあろうとする者 もう一歩めを踏み出したよ ほうら 言うたじゃろ おぬしの未来は 広がってゆく 八の字の如くに 負けるな又八 負けるな
バガボンド31巻

ただ真っ直ぐに一本の道を進むのは美しい じゃが普通はそうもいかぬもの 迷い 間違い 回り道もする それでええ 振り返って御覧 あっちにぶつかり こっちにぶつかり 迷いに迷った そなたの道は きっと誰よりも広がっとる
おふくろ 必ず出世して楽させるからな…!! ええわいの 道が広かった分 おぬしは誰よりも人に優しくできる わしも 武蔵も なれなかった人間になれる
バガボンド31巻

おふくろ 待ってくれ 俺 まだ何も 何も返してないぜ おふくろ おふくろーーー
バガボンド31巻

おつうはまだ? 今 お迎えをやっております あの笛を また吹いてくれんかのう ヒザ枕で死にたい
バガボンド31巻

なあ 何でこの頃 出てこなかった? 何のこと? にょろって 知らんよ それはおぬしの心がつくり上げた 幻に過ぎん でもいろいろ教えてもらった ふーん ならば きっと… おぬしの中に もう答えはあるんじゃろ 笛の音が聞こえる もう行かんと 武蔵 笑え もっと笑え ではまた どこかで
バガボンド31巻

何で… この姿… 何で このかたち…? そうか 俺は… 今は… このかたちをもらってる この体と 刀をもらって 生まれてきた 何で この体なんだろう? だからな この体ってのは 俺じゃなくて その前から俺はいて… じゃあ この体は何なんだ? 俺とかお前とか… 自分って何? どこにいるの? ん…? うむ… 体を使えと もらった この体を使って 知れと… 何を? その前の もともとの俺を 体がそういうものだとしたら 体だけじゃなくて この世のもん すべてが それを知るためにあって いや ものだけじゃなくて 人も 出会う人も 父も 母も すべて そのために 出会うのなら… ほんとは誰も恨まなくていい
バガボンド32巻

脚が使えないこと そのものより厄介な敵… それは… 目の前の敵ではなく… 「脚が使えない」という自らの恐れ… 恐れは それを覆い隠すためのやみくもな怒りを呼び 己の強さの証明 最強という幻想への執着を呼び… それを失うことへの恐れを呼び… その循環を大きくしたもの それが… そのまま 殺し合いの螺旋
バガボンド32巻

さあ どこへ行こう? いや これ以上 流浪する必要などあるのか? 何を探しに行くと言うんだ? 今を 差し置いて この瞬間という 無限の空間を 言葉にするなよ その途端に もう遅れてら 今といいつつ 今にいないじゃねえか おっさんの穴に帰りてぇ いや それすらも すぐに ただの言葉 帰りたきゃ 帰りゃいい いつでも帰れる 今 ここで 動け 揺さぶられ 言葉を振り切れ 今のど真ん中にいるために
バガボンド32巻

剣に生きると決めたなら 正しいかどうかなどどうだっていい 感じるべきは 楽しいかどうかだ
もっと笑え
バガボンド32巻

剣に生きると決めたなら 正しいかどうかなどどうだっていい 感じるべきは 楽しいかどうかだ もっと笑え 楽しいかどうか
楽しくて 仕方なかった 闇の闇でも 怖くはなかった 剣を握っているあいだは 俺の中に 白い光があったから ひとりじゃなかった 誰かが笑って見てくれていたから 名前のない誰かが ふと目指す処に 名前をつけて呼んでみた 天下無双 なぜそうしたのだろう 誰かの真似をしてみたくなったのか 父の真似をしてみたかったのか 天下無双… 少し違うような気がしたが 強くなった気がした 気持ちよかったのでそのままにした あのときは まだほんの小さな違いでしかなかった じいさん 今 分かったよ 天下無双などと 勝手に名付けたりして 形にはめたりして ごめん もっと はるかに大きいものに あなたはなろうとしていたのに
バガボンド32巻

過去は過去 今日のお前は 今日つくるんだよ
バガボンド33巻

流浪の日々は終わり 殺し合いの螺旋を降り それで何かの上がりのような気がして 重荷を下ろした途端に 何故だ? 光も見失った いつの間に 切り離されて 今や 樹々すら そっぽを向いてら
バガボンド33巻

人を斬りながら 自分に剣を突き立ててるような心地がして 武蔵は武蔵でなくなった 疲れた… 地べたまで落ちたな いや… そうじゃない 星の高さは 少しも変わっちゃいない そうか 戻ったんだ 土に 何も持たないという はじめの姿に 何者でも ありゃあしねえ
バガボンド34巻

笑うか 俺を いや 笑うのは人 恐れるのは自分 天は笑いはしない ただ微笑んで眺めている
バガボンド34巻

ゆったり あそこははやい 川底の地形がそれを決める 広い川と 狭い川 緩い川底と 急な川底 川の流れる先のどこか 流れのはやさ 遅さ 水自信は決めていない ただ従っている 川底の地形と… 風や 外からの力に 完全に決められてる それでいて水は… 完全に決められていて… それが故に… 完全に…
バガボンド35巻

急な勾配 狭い川幅 速く鋭い流れ 地形によって 外からの力によって 水のありようは完全に決められ 水自身は ただそれに従っている 外からの力によって ありようは完全に決められ それでも水は水 どこまでも水 完全に自由
バガボンド35巻

なぜ水に勝とうとしないんだ? 水に… 勝つ? この辺じゃあ 毎年 川があふれて それまでの苦労が水の泡になるけど しかたないさ そういう土地を住処と定めてしまったんだから 何だ あきらめてんのか 俺は水に勝つ それまでここにいる あんた わかってないな 神様の掌の上で踊るのが人間ってもんだ 天に逆らって生きられるもんかい 水は追い越さない 急がない この水と この水のどっちが などと較べ合うわけがない 水に勝つだと…? 水はこっちをみてもいない 簡単に手の中に捕らわれる 翻弄されるにもかかわらず 完全に水のまま 自由のまま 勝つ… 勝つって何だ ぐるぐる回って 巡り巡って 何度目かのう 武蔵 その問いに 辿り着くのは? 言ってくれたのは おぬしじゃろう わしの目指していたものが何か 勝つって何… それももう知っとるよ だから此処にいる 天下無双より大きなもの
バガボンド35巻

たけぞうの剣の師匠は誰? 流派の名前は何? …さあな 何だっていいんじゃないか? 人を斬るのは刀 名で人は斬れんだろう
バガボンド35巻

ただの管 ? 何が? 自分が 体が その中を流れるものを邪魔しない でも
何か考えるだろ? どうしたらいいか教えて 俺は教えん 剣に訊け 体は容れ物 中を空っぽに 俺は容れ物の側ではなく 空っぽの側に 空っぽとひとつに エィヤー 伊織 腕になってるぞ ? お前はお前の腕じゃない 腕? 容れ物だって言ったろ 腕なんて容れ物のしかも… 先っちょ 怖い顔するな 伊織 見えなくなるぞ お前の体 お前の剣 お前は誰か 笑え
バガボンド35巻

腕だけで出せる力など たかが知れてる 体の… 踵も 脚も 腰も 肚も そこにいるのに 待てども待てども 出番は来ず いることすら忘れられて 腕がひとり 躍起になり 何も斬れぬ へなちょこ剣
バガボンド36巻

強くなろうと あがく者が一人でもいると 何もしない自分がみじめだもんな みんな同じなら 見えないのに 異質な者がいると 浮かび上がってしまう 自分のみじめさが だから追い出そうとして それができないと分かると 嘲笑い 下に見て 線引きして 隔てる それでまた じぶんを見ずにすむ
バガボンド36巻

そろそろ…折り重なる屍のひとつに…加えてもらうかの…屍の上に…新しい命が…生きられる…
バガボンド36巻

武蔵 咲くや 咲かざるや 実るや 実らざるや どっちでもいい ただ見ているよ
バガボンド36巻

…か…神様は見てる…ひ…ひとに…やさしくしたこと ひとを… たすけたこと… おまえの… 孤独すら…
屍の上に 新しい命… やっと 土になれる この村の土に
バガボンド36巻

どこであれ それが いつであれ 死ぬことは 決められている そう そして? 残された時間がある どうあるかは 自由 どう ありたいのだ? 強く 俺が俺らしく 手足がなくても 残るはず それは 俺は 何だ やさしいんだよ あんたは
バガボンド36巻

さびしいのか 伊織? さびしくなったら 木を見ろ 父ちゃん きっと そこにいる 死んだら きっと そこにいる だってな 伊織 木は人よりも長く ゆったりした時間を生きてるから もし木が枯れて 倒れたら 川の石を見に行くといい 父ちゃん きっと そこにいる 死んだら きっと そこにいる 石は木よりも もっと ゆったりした時間を生きてるから 何も心配しなくていい 木も石も 本当のお前を知ってる 好きなように 生きなさい
バガボンド37巻

自分の手で変えないと何も変わらない …たとえば 決められた運命でも… 自分の手で何かを変えようとしていい
バガボンド37巻

地面なんてものは もともと誰のもんでもねえ 人が現れる前からずっとあって 誰もが その上に間借りの身だろう
バガボンド37巻

「闘うために生まれた」自分のことを そう言っとった 「殺せ」「命に価値はない」とも その通り 価値はない 自分だけのものと考えているなら 命に価値はない 「何故 生まれた?」 自らが ここにいる理由は 誰かが 命をつないでくれたから
バガボンド37巻

剣で名を上げるってのは何だ? 出し抜いて 敵を蹴落とし いや…斬り殺して 自分がひとつ上に行く そういう生き方のことじゃねえのか? 稲ってやつはな 弱い 人の手なしには生きられん 百姓は この か弱い奴が 何を欲し 何を嫌うかを 聞いて 見つけてやるのが仕事 明けても 暮れても 頭ん中は この か弱い命を 生かすこと 命を まっとうさせること 人を斬る? 冗談だろう お前らにも理由があるんだろうが… 解らんね 理由などない そう 生まれたとしか
バガボンド37巻

不思議だよなあ 米を あの種籾を植えて 同じ米が なる 何でだろう ありがたい 足りないものは何もない
バガボンド37巻

毎日 どんなことを話していたんです? 秀作さんと … もっと習っとくんだった 米づくりのこと もっといろいろ 教えてもらえばよかった 「俺に訊くな」と え?秀作さんが? じゃあ誰に? 誰に訊けばいいんだ… 土に 木に 草に 稲に 虫に 何にでも
バガボンド37巻

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Theme: 人生を学ぶ本

Genre: 本・雑誌

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